アーティストは食っていけない 音楽経済理論

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さて、前回はアパレル業界がどれだけ儲からないかざっくり説明しましたが、今回は音楽アーティストがどれだけ儲からないか見ていきましょう。こちらもなかなかエグイ事になっています。

収入源を考える

まずアーティストの収入源を考えてみましょう。大きく分けるなら

1.ライブ
2、CD、ダウンロード販売
3.グッズ
4.その他

に分類されます。さて、一つずつ見ていきましょう。

 

1.ライブ

さて、まずはライブです。基本的にライブは会場を借りてそこでライブが行われるわけですが、「会場費」や、スタッフの「人件費」、ステージや楽器などの「機材費」、ステージ衣装や照明などの「演出費」や機材を運ぶ「運搬費」、アーティストの「宿泊費」、「移動費」など様々な経費がかかります。ライブの規模が大きくなるにつれて、経費も大きくなります。経費を集客してチケット代でまかなうことができるならそのライブは黒字となります。

例えば、経費が全て込みで100万ほどかかるライブでチケット代は3000円と設定するのであれば、334人集客しないとそのライブは赤字になります。参考までにライブハウスのキャパ300人ぐらいの会場費で大体30万前後です。
チケット代だけではライブにかかる経費が払えないということも多くあるようです。そんな時はグッズ販売やCD販売を会場で行い、足りない経費分を補填します。

また、新人のアーティスト・バンドなんかは大きな会場を借りる資金がないので、ライブハウスと出演契約を行いライブをさせてもらいます。この時の出演契約はライブハウスによるのですが、バンドやアーティストでチケットのノルマ販売数が決められ、それ以上を販売した場合、チケット代の○%が、おらえるという内容になります。

例えるなら、「チケットノルマ10枚、11枚目以降は50%は収入」みたいな感じです。この時、ノルマ分達成したとしてもアーティスト側に収入は入りません。ノルマ以上の売上げた場合のみ収入があるのです。

上記の契約内容でチケットが2000円だとし、アーティストが15枚販売した場合の収入は
チケット 2000円 × チケット売上(ノルマ除く) 5枚 × 50% =5000円
となります。新人で15名も呼べること自体なかなか有望にも限らず、収入はこんなものです。バンドなら人数でこれを折半。4人バンドなら一人1250円。。せつない。ライブに出るためにスタジオ借りて練習したり、移動したりという経費を考えるとマイナスでしょう。

 

2.CD、ダウンロード販売

続いてはこれ。計算が複雑なので簡単に印税の比率を説明すると作詞者に1.5%、作曲者に1.5%の印税がもらえます。これが「著作権印税」です。またレコーディングで演奏していた実演家も印税がもらえます。これを「アーティスト税」といいます。「アーティスト税」は契約内容によって変わってくるのですが、ジャケットなどの容器代を抜いた1~3%です。

新人アーティストが作詞・作曲を手掛け、自身で歌った曲を詰め込んだシングルを1000円とすると、
作詞 15円 + 作曲 15円 +演奏 10円 =45円
一枚当たり収入は45円となります。これソロでの計算ですからね。バンドなら折半ですよこれ。アーティスト税はその分入りますけど。

ダウンロード販売の場合も大体同じです。1曲200円ならば10円前後になります。

そして巷で噂のストリーミングサービス。AWAやitunesとかがやってますが、これで払われる相場が1曲再生で0.1円前後。もう100万再生されて1カ月なんとか生活できる10万円です。。これは苦しいですホント。

3.グッズ

暗い話が続きましたが、グッズは物によるので一慨には言えませんがCDなどと比べると利益は取れます。ただ中間マージンでなかなか取られてしまう模様です。それでも数%ということはないでしょう。

4.その他

カラオケは馬鹿に出来ません。著作権税で1曲あたり5円前後は払われるみたいです。

 

またCDレンタルも良心的。

◇CDレンタル1回あたりの使用料
・作詞・作曲家:アルバム<70円> シングル<15円>
・実演家:アルバム<50円> シングル<15円>
・レコード製作者:アルバム<50円> シングル<15円>

http://cdvnet.jp/modules/rental/より引用

また、イベントや雑誌、TVへの出演料だが、これは大物クラスにならないと発生しません。むしろ、雑誌などはお金を払って出演することも。。

関わる会社が多すぎる音楽業界

ここまで見てきましたが、なぜこんなにもアーティストの取り分が少ないのでしょう?
その答えとしては、色々な会社が関わっているからです。

アパレル業界もそうですが、音楽業界も様々な会社が関わっています。レコード会社やプロダクション会社、音楽出版社や小売業者、そしてJASRACなどなど。収益の大半は彼らに持っていかれているのです。

アパレルのSPA業態みたいに一元化した音楽のビジネスモデルが出てくればいいのに。まあ利権とか色々大人の事情があって無理でしょうが。。

音楽もアパレルと同じで変革期に入ってきていると思います。今後の記事でも、現状の問題点や打開策を掘り下げた記事を投稿していきたいと思いますのでお楽しみに。

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